日々是好日~ハッピープラスブログ~

受精卵検査(受精卵診断)とはなにか

みなさんこんにちは!Jです。
卒業の季節、そして桜の季節もそろそろですね~。
そして花粉の季節本格化しました(涙)
鍼灸治療してもらうとグッと症状が楽になるのですが、分かっていて出来ないのは罪ですね。反省

さて、今日は「受精卵検査」(受精卵診断)についてまとめてみたいと思います。
正しくは着床前受精卵遺伝子スクリーニング(PGS)といわれるものですが、体外受精に失敗したことのあるかたでしたら興味のあるニュースではないかと思います。

詳しくお話すると長くなるので、2回に分けて、できるだけ分かりやすくご説明しようと思っています。
昨年12月13日、日本産科婦人科学会は、体外受精した女性の習慣流産を防ぐ新しい受精卵診断の臨床研究を承認しました。
これまでも、遺伝的に重い病気を持ったかたの受精卵を調べることは承認されていましたが、それを一般のカップル(詳しい条件は次回)にも認めるという点が新しいところです。

2月7日に行われた学会で、この臨床研究について専門家に向けたシンポジウムが行われたのですが、早々に定員に達したことからも、ドクターたちの関心の高さがうかがえます。

この検査は、受精卵の染色体の数を調べる検査です。数に異常がない受精卵を選んで移植(子宮に戻す)ことで、妊娠率や生児獲得率などがアップするかを調べ、3年かけてデータを蓄積していく予定だそうです。

「着床前スクリーニングとどこが違うの?」と思ったかたは、かなり詳しいかたですね。基本的に同じ検査です。

「私は、毎回受精卵のグレードを教えてもらっているし、きれいな卵だって言われているけど」と思っているかたには、グレードと遺伝子は関係ないのだというお話は衝撃かもしれません。

受精卵のグレードは、いくつかの要素を総合して胚培養士さんが決めるものです。おおまかにいうと、適正なスピードで、きれいな形に育ってくれる受精卵が「良いグレードの受精卵」ということになります。
つまり”見た目”で決めているということなので、遺伝子を調べたわけではないのです。
極論ですが、10日目には死んでしまう受精卵でも、5日目くらいまでは調子が良いこともあるということ。

「私達夫婦も、うちの親族にも遺伝病の人はいないから大丈夫なはず」というかたには、受精卵の遺伝子とは何かというお話をすると分かりやすいと思います。
父になるひと、母になる人には遺伝子の異常が全くないとしても、受精卵にはかなりの確率で遺伝子異常が起こります。
なぜかというと、体を作っている細胞と、精子・卵子の細胞とは決定的に違う性質があるからです。
体を作っている細胞を体細胞(たいさいぼう)と言いますが、卵子・精子は生殖細胞(せいしょくさいぼう)と呼びます。
体細胞は人間の場合46本の染色体ですが、生殖細胞は半分の23本しか持っていません。
ちょっと乱暴なイメージですが、ジッパーを閉めた状態があなたの体を作っている状態、ジッパーを開けて片方だけにしたものが精子や卵子です。
開けたジッパーの片方を、別のジッパーとくっつけて、チャーっと閉じるのが受精と考えると分かりやすいのではないでしょうか?
母が赤のジッパー、父が青のジッパーだったとすると、片方が赤、片方が青の新しいジッパーができます。斬新ですよね。
閉じたままだと安定しているけれど、新しい組み合わせはできない。だから、不安定であるのを承知で一旦ジッパーを開けて、相手と組み合わせることで新しい命を作るのです。

ところが、一見きれいに閉じられたように見えたジッパーをよく見ると、一カ所だけ赤いジッパーの歯が両面分くっついてきていて、そこだけ3列になっていたり、逆に青いジッパーの歯が1つだけ欠けたりしていたりする場合があるのです。
「なるほど、起こりそうなことだ」と思いませんか?
それが、受精卵にはかなりな確率で遺伝子異常が起こる理由です。
「よほど使い込んで古くなったジッパーなら起こるだろうけど」と思ったかた、それも当たっています。
もろくなったジッパーとは、年齢が上がってきた卵子と精子のことです。ですから遺伝子異常も起こりやすい。

一見グレードの良い受精卵に見えるのに、どうしてうまく育たないのだろう?という受精卵を、子宮に戻す前に調べて、ちゃんときれいにジッパーの閉まっている受精卵だけ選びましょう、というのが今回の取り組みです。

遺伝子の数を調べて、多ければ「あ、ジッパーの反対側に置いてくるはずの遺伝子がうっかりくっついてきたのだな」と分かるし、少なければ「あ、ジッパーの歯がそこだけくっついてこなかったのだな」と分かるわけです。
人間は、かなり複雑な作りをしているので、「そのくらいいいじゃない」というわけにはいきません。
ジッパーのどこに異常があるかによって、着床しないとか、流産するとか、障害を持って生まれてくる、というように程度が変わります。
たとえば、ジッパーの、最初に両端を揃えて差し込む部分、そこのストッパーが壊れていたら、閉じたそばからはがれてきてしまって、ジッパーの役割ができませんよね?かなり重要なパーツが壊れている場合、他に問題がなくてもジッパー全体が使えなくなってしまう。それが、流産してしまう運命の受精卵。

逆に「そんなところまで閉めなくても使えるし、歯が一個だけ余分についているから開閉しにくいけどなんとかなる」という場所の異常なら、障害を持っているものの、産まれてこれるくらいの遺伝子異常ということになります。

この検査は”もともと育つ力のない受精卵”を子宮に戻すことで、体外受精を受けているカップルに苦痛を与えることを減らせるのではないか、という試みとも言えます。

ただ、この検査には心配されている倫理的な問題や、技術的な問題も残っています。
それらについては、次回お話しようと思います。

このブログを読んでくださっているかたがたに、一日も早くかわいい赤ちゃんが授かりますように!!

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