これをクリアしないと妊娠しない ~その6~

みなさんこんにちは、Jです。
平地でも紅葉がきれいな季節になってきました。
昼間は暖かくても、朝夕はぐっと冷え込んできましたので、うっかり体を冷やしてお風邪を引かれないようになさってくださいね。
さて、今回は、シリーズでお送りしている「これをクリアしないと妊娠しない」の、6回目です。
妊娠するための条件11段階をもう一度おさらいしておきましょう。
1.卵胞が成熟する
2.排卵する
3.卵管の先端(卵管采 らんかんさい)が卵子をキャッチする
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
5.子宮内膜がふかふかな、着床しやすい状態になる
6.精子が膣内に射精される
7.頸管粘液が潤沢になっている隙間を伝って、精子が子宮内に侵入する
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
9.卵管の端で精子と卵子が出会い、受精する
10.分割を繰り返しながら卵管を下り、子宮にたどり着く
11.胚盤胞という状態まで育った”卵”が子宮内膜に着床する
今回は、このうちの
6.精子が膣内に射精される についてお話していきます。
男性の不妊因子についてのお話ですので、旦那様と一緒に読んでいただきたいと思います。
2回に分けてご説明するつもりですので、次回も続けて読んでいただけると幸いです。(来週のブログはYの担当なので、正確にはその次の週になります)
不妊の原因は、男女比半々で、男性側の原因で不妊になっていることもとても多いということを、世の中の男性にはぜひ知っておいていただきたいと思います。

6.精子が膣内に射精される 性交により、精子が膣内に射出されることが、自然妊娠の必須条件ですが、それがなされない状況とはどういうことでしょうか?
大きく分けて、2つのパターンが考えられます。
1つは、何らかの原因で性交が成立しない場合 もう1つは、性交は成立しているのだが、精子が射出されていない場合、です。
何らかの原因で性交が成立しない場合の代表的な例はEDやセックスレスです。
性交は成立しているのだが、精子が射出されていない場合の代表例は無精子症や乏精子症などです。
今週は、このうちの
何らかの原因で性交が成立しない場合 についてお話しようと思います。
○性交の回数が少ない
○勃起障害(ED)である
○勃起はできるが、射精ができない
性交が成立しない要因の主なものは、大きく上記の3つに分けられます。
それぞれについてご説明いたします。
○性交の回数が少ない 結婚生活が長くなってきたり、男性の年齢が上がってきたりすると、性交の回数が減少してくることが知られています。
ただ、1ヶ月に1度など、極端に回数が減ってくると、受精の機会が限られますので、妊娠のためには好ましくないと言えます。
とはいえ、男性の心理は繊細なものです。「今日は排卵日だから、残業しないで帰ってきてよ!」とプレッシャーをかけられたり、食卓ががうなぎやステーキや牡蠣、山芋など、”いかにも精がつきそう”なもので埋め尽くされていると、げんなりする男性も多いものです。
夫婦のコミュニケーションであるはずの行為が、だんだん「子作りのための義務」になってきてしまうと、男性がそれを面倒に感じてしまうのも無理はありません。
女性の側も、「無駄打ちは意味なし」とばかりに、”夫婦生活=タイミング療法”になってしまうことも多いようで、それが男性の気持ちを踏みにじっている場合もあるのです。
きれいごとと思われるかもしれませんが、結婚したときの気持ちを思い出してみてください。
好きな人と一緒になれた喜びでいっぱいだったことと思います。
その、”好きな人の子供”を作りたいと思っているのですよね。「子供はできたけど、お互いに顔を合わせるのも苦痛になった」では困ります。
夫婦生活は、いつでもパートナーとの絆を深めるものであってほしいと思います。
また、医学的な見解からいっても、基礎体温などから計る排卵日はあくまでも目安であり、いつ排卵するか分からないのが女性なのです。
ですから、「無駄打ち」なんて本当はないのです。お互いの肌に触れ合って、なるべくいつでも仲良くしておくことが、結局は妊娠の近道にもなるのです。
○勃起障害(ED)である
EDは、器質的因子と、心理的因子が考えられます。
器質的因子とは、糖尿病や脊髄損傷、骨盤の外傷などですが、若い男性の場合、ほとんどに精神的因子がかかわっているといわれます。
たとえば、「今日は排卵日よ」と気乗りしない性交を強いられたために、うまくいかなくなることもあるのです。ところが、一度そういう経験をすると、『今度もダメなのではないか』と不安になって、どんどん気持ち的に追い詰められ、本当にEDになるパターンが多いのです。
もし、万が一パートナーがそんな事態におちいったら、間違っても女性は「なによ、今日は排卵日なのよ!月に1日しかない大事な日なんだから、なんとかしなさいよ」などど責めてはいけません。
「そんなに彼を追い詰めていたのか」と、男性のプライドを思いやってあげてください。
なお、精神的なEDの解決には、バイアグラが非常に有効であるというデータがあります。専門医に相談することで簡単に解決するかもしれません。
また、飲んでいるお薬のせいでEDが誘発されることもあります。降圧剤や潰瘍治療薬などを飲んでいるかたは、副作用としてのEDかもしれませんので、ドクターに相談してみてください。
そのほか、「意外と多い」とEDの専門医のドクターがおっしゃるのは、コスプレや、さまざまなフェチなどの趣味があり、そのシュチュエーションでないと勃起しないという男性です。
ご自分の趣味をパートナーの女性に打ち明けられず、結果EDになってしまっているパターンが意外に多いそうです。
この場合は、ドクターいわく「非常に簡単に解決します」。
女性のほうは、夫婦生活がないことを非常に深刻に悩んでいるので、「実は・・・」と男性が打ち明けると「ああ、なんだ、そんなことか」と安心して、すんなり要望を受け入れてくれるからだそうです。
○勃起はできるが、射精ができない 糖尿による射精障害もありますし、内尿道括約筋の収縮不全による逆行性射精もありますが、若い男性に多いのは、「間違ったマスターベーションによる射精不全」です。
間違ったマスターベーションとは、強過ぎる刺激によってしか射精しないような癖がついていることを指します。
たとえば、畳に性器をこすり付けるようなマスターベーションや、強く握り過ぎるようなやりかたに慣れてしまうと、性交で射精するのは難しくなります。
というのは、女性器ではそこまでの刺激は得られないからです。
正しい刺激量で射精できるように訓練する必要があるのですが、実際これはなかなか難しいようです。
射精に至らないために性交の時間が極端に長くなり、女性側は痛みが出てくることもあり、お互いに性交が苦痛になることもあります。
妊娠を早期に望むのであれば、AIHを視野に入れつつ、訓練も平行して続けていくことが現実的なのかもしれません。
いずれにせよ、上記3つの男性因子によるものは、ご夫婦が自覚している妊娠への障壁ですので、分かりやすくもあり、改善に取り組みやすいといえます。
性交は成立しているのだが、精子が射出されていない場合
のほうは、男性不妊の中でも、検査するまで分からない、自覚できないことがほとんどです。
これについては、2週間後に詳しくお話していきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください