子供のいない将来を考えるとき

みなさんこんにちは、Jです。
10月も後半になってくると、一年という時間の短さに焦りを感じますね。
「夏を過ぎると『今年出産するのは、もう無理なんだなあ』って、つい思うんですよね」という患者さんのつぶやきに、かける言葉が見つかりませんでした。
どんなに頑張っても妊娠できないかたもいれば、望んでいない妊娠に苦しむ女性もいます。
本当に、運命というのはままならないものです。
36歳を過ぎると妊娠しにくくなるとか、
42歳を過ぎると自然妊娠の(一般的な)限界を迎えるとか・・・
そういう統計的な、あるいは西洋医学的な情報は、これまでもお話してきました。
何歳までは頑張れとか、何歳を過ぎたらそろそろ諦めろとか、そんな話をするつもりはありません。
ですから今回は、私自身の話をしようと思います。
私は、もう20年も前に一度結婚したことがあります。
絵に書いたような”だめんず”で、今思えばいろいろと笑える(笑うしかない)ネタをもらいましたが、それは今は余談です。
ともかく、子供もいないまま離婚し、その後は独身のままです。
来年誕生日を迎えると50歳なので、もう更年期です。
これも余談ですが、母の更年期がひどかったので、自分が更年期を迎える前に正しい知識を得たいと思って『メノポーズカウンセラー』の資格を取ったのです。
この先、卵子提供を受けない限り、私が妊娠することもないでしょう。
つまり、私は、子供を欲しいと願うカップルのお手伝いをしながら、自分は子供のいない人生を送っているわけです。
「矛盾しているのではないか」という人もいるかもしれません。
「妊娠した患者さんを羨ましく感じるのではないか」と思う人もいるかもしれません。
正直に言います。
私は、もし自分の子供がいたら、こんなに患者さんお1人お1人のことを一生懸命考えて治療できないと思うのです。
「今日は、この患者さんの治療を終えたら、帰りにネギと卵を買って・・・そうだ、クリーニング屋にも寄らなくちゃ」なんて考えながら治療してしまうかもしれません。
ですから、私には子供がいなくて良かったと思います。
子供を育てるのは、”人間を1人作り出す”ということですから、こんなに素晴らしい仕事はないと思います。
ただ、私には、それとは別の役割があると思うのです。
人間を生み出すことに比べれば小さな役割ですが、それでも私にしかできない仕事です。
そのことに迷いはありません。
選んだつもりはありませんが、きっと無意識に選んできたのだと思います。
ただ、もし私に夫がいたら、
もしその人が「この人と出会うために生まれてきた」と思えるほどの男性だったら、
きっと「この人の子供が欲しい」と心から願うと思います。
だから私は、巡りあう患者さんお一人一人が、何らかの結果を受け入れるまで、精一杯寄り添い、力を尽くします。
もちろん、出産で終わる治療ほど嬉しいものはありません。
ただ、そうでない形であっても、患者さんが幸せになれると良いなとひたすら願うのです。
人間のできることは、あまりに微力です。
神様の考えることは、私には分からない。
「どうしてこんな素敵なご夫婦に、お子さんを贈ってくれないの?」と神様に拳を振り上げることもあります。
それでバチが当たるなら、患者さんのかわりに私にバチが当たるなら、それこそ本望!
そんな覚悟で治療できるのも、家族がいない強みです。
愛する夫がいなくても
愛する子供がいなくても
私がやるべき役割はあるのです。
それが私の喜びです。
負け惜しみではありません。
嘘ではないので書きました。
これを読んでくださる方々に、可愛い赤ちゃんが来てくれますように!
でも、もし万が一、あなたのところに赤ちゃんが来なくても、
あなたが幸せな人生を送れますように!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください