主席卵胞=一番すぐれた卵子ではない

関東では桜の季節も終わりましたが、皆様の地域ではいかがですか?
桜を見ると、「ああ、また一年たったなあ」と思います。
不妊治療をトライし続けている皆様の中にも、「来年こそ赤ちゃんと一緒に見たい」と思いながら桜を見上げられたかたもいらっしゃったかもしれませんね。
さて、今日は採卵に関するお話をしようと思います。
先日、『日本授精着床学会』の研修に参加してきました。
最新の情報を聞くことができて、非常に有意義な一日でした。
今日は、中でも、私にとって衝撃だったお話をシェアしようと思います。
それは、名古屋にある浅田レディースクリニック理事長である、浅田義正先生の発表でした。
発表のなかで、さりげなく触れられた事実。
私は思わず心の中で「マジでー!?と叫びましたね。
それがこれです。
「本来、ヒトという種には、卵子の選択制御機構はない」 つまり、「たまたま偶然ほどよい大きさだった卵胞が1つだけ育っていくだけ」なのだそうです。
×一番良い卵子が選ばれて育つ、わけではない
×一番良い卵子から先に大きくなる、わけでもない
えー!じゃあなんで、自然周期では1つの卵胞だけが育って、あとはしぼんでしまうの?
実は、「一度の妊娠で多胎にならないように、1つの卵胞だけ育つように調節する」からだそうです。
これ、はっきり言って衝撃でした。
自然周期で採卵するクリニックでは「一番良い卵子が選ばれて主席卵胞になるのだから、それを1つだけ採卵すれば、一番良い卵子が採れる」と説明されていると思います。
私も「競争に勝ち残った卵子が一番生命力のある卵子なんだろう」と漠然と思っていました。
でも、「これが一番良い卵子だから、これを育てよう」という選択をする能力は、人間の卵巣には備わっていないというのです。
ガーン! それって、たまたまタイミングがずれてしまったために、惜しくもしぼんでいく運命の卵子の中に、一番良い卵子があるかもしれないってことですよね。
もったいない!!! 人間は、2本足で立ちあがってしまったために、骨盤の都合でたくさんの赤ちゃんを一度に妊娠するのは難しくなりました。
だから、仕方なく、卵子を1つに絞っているのだそうです。
もったいない!!! 目からウロコとはこのことです。
だったら、自然の状態では惜しくもしぼんでいく運命だった(実はとても良い)卵子をレスキューするために、ホルモン剤を使ってみるのは必要なことなんだ・・・と心から納得できました。
卵胞がたくさん採れるうちは、採っておいたほうが良いんだなぁ・・・
ホルモン剤を使うと副作用がひどくて、生活の質が落ちてしまうというかたは別ですが、自然周期=ベストの卵子という考えで長く続けておられるかたがいらしたら、一度卵巣刺激を試されると良いのでは?と思いました。
これをお読みいただいているかたがたに、一日も早くかわいい赤ちゃんが授かりますように!

「主席卵胞=一番すぐれた卵子ではない」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    私もその話を2日前の診察時に
    加藤レディースクリニックの先生から教えていただきました
    驚きました。
    いままで薬は飲みたくないと思っていましたが
    そういう理由なら飲んでもいいかなと思っています
    がんばりまーす
  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お返事遅くなってすみません!
    そうですよね~。なるべくお薬は飲みたくないって気持ちはよく分かります。
    でも、もしお薬飲んでもあまり副作用が感じられないご体質だったら、試す価値はありますよね。
    頭痛や気持ち悪さが出ないようでしたら、がんばってみてください。
    いや・・・がんばりすぎないように、がんばってください(笑)

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