みなさんこんにちは。Jです。
前項でYが、結婚年齢の上昇と妊娠率について書いていましたが、基本的に「人間は妊娠しにくい動物である」のです。
競馬の馬の種付けなどでは高額な取引が行なわれますが、普通の動物は「ここぞ」というときに性交すれば、まず間違いなく妊娠します。
ですが、人間の場合、健康な20代の男女が、排卵時に性交しても(これを狙うのがタイミング療法と呼ばれるものですが)、妊娠率は25%~30%しかありません。
これはちょっと衝撃的な数字ではないでしょうか?
人類は緩やかに絶滅への道をたどっていると言っても過言ではありません。
だからこそ、現代は不妊治療が珍しくない社会になのだとも言えるのかもしれません。
さて、ここで改めて「どうすれば妊娠するのか」を確認しておきましょう。
「そんなの知ってる」というかたも、改めてどれだけの行程をクリアして妊娠に至るかをすると「妊娠って奇跡だ!」と思わずにいられないと思いますよ!
自然妊娠の場合、妊娠はもちろん、夫婦の営みから始まります。
6.精子が膣内に射精される
7.頸管粘液が潤沢になっている隙間を伝って、精子が子宮内に侵入する
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
9.卵管の端で精子と卵子が出会い、受精する
10.分割を繰り返しながら卵管を下り、子宮にたどり着く
11.胚盤胞という状態まで育った”卵”が子宮内膜に着床する
どうして6番から始まっているのかと不審に思われたことでしょう。
実は、精子を迎えるまでに女性側でクリアしていなければならない条件があるからなのです。
1.卵胞が成熟する
2.排卵する
3.卵管の先端(卵管采 らんかんさい)が卵子をキャッチする
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
5.子宮内膜がふかふかな、着床しやすい状態になる
つまり、この11の条件のどれか1つでも欠けていると妊娠しないということ。
これだけの難関を乗り越えて妊娠するのだから、命って大事なんだなあ!という気持ちになります。
「こんなの当たり前じゃない?」と思ったかたも「私は○番に問題があると言われた」と検査済みのかたも、1つ1つの段階について、どういう場合に起こることなのか復習していきましょう。
次回から各項目について、どういう検査をすれば分かるか、治療はどうするのかなども含めて説明していく予定です。