不妊治療に対して、社会の関心が年を追うごとに高まっています。
「晩婚化」「晩産化」とマスコミ、経済、政治等の各方面で言われはじめて、
約10年が経ちました。
それと歩みを同調するように、
不妊に悩むカップル数の増加と、
不妊治療を専門に取り扱う婦人科クリニック数の拡大が
大変気になります。
期待と夢と現実のはざまで揺れた
第2次ベビーブーマー世代
それは第2次ベビーブーマー(1971(昭和46)〜74(昭和49)年)の男女が
子供の生産年齢の中心にいた27歳〜30歳頃に、
予想されていたより
婚姻数もそして出産数も伸びて来なかったためで、
***(厚生労働省 人口動態統計より)********************
1971(昭和46)年の初婚年齢 男26.8歳 女24.2歳
↓
2001(平成12)年 〃 男29歳 女27.2歳
***********************************************
マスコミの世界でも、この遅延化している婚姻と出生の状況を
記事に取り上げる回数が増えていました。
2010年時点では 男30.5歳 女28.8歳 へと
さらに上昇していて、
母親になる女性の出生平均年齢は
29.9歳
また結婚してから出生に至るまでの平均期間も
2.19年
と約30年前(1975年)の 1.55年 と比較して
0.64年も延長してしまっています。(ここまですべて厚生労働省調べ)
そんな第2次ベビーブーマーが
現在30代後半から40歳になり、
生産可能の中心年齢層から後退してしまいました。
まさに晩産化してしまっている世代です。
さらには
未婚のまま40歳を迎える女性も
平成7年のデータで 7.6% だった割合が
平成17年になると 14.1% と倍に増加しています。
結婚しない(できない) 出産(しない)できない
原因は実に様々です。
それについて、今回はまだ触れません。
たとえどうであれ、
ここで伝えたいことは
婚姻関係を結び、妊娠を経て出産を望むのなら、
どのステージでも、一朝一夕には達成し得ない、
到達までの時間が必ず掛かる、ということです。
当たり前じゃないか!と思われるでしょう。
しかし、
今までのデータになぞらえれば、
結婚してからも妊娠を望もうと思うまでに、
この数年は約2年のインターバルがあるのです。
婚姻してからすぐに望んで性生活を続けても
一回の排卵周期で妊娠が成立するのは、
約20% の女性だけ。
それを同じ割合で1年間続けて行くとしても
約90% の女性のみが妊娠の成立をするが、
残りの10%はそれでもまだ妊娠に至らないというわけです。
そんなデータがあるにもかかわらず、
結婚年齢が高いカップルが、
妊娠を望むようになるまでにまず2年をかけ、
その後にようやく夫婦生活をこまめに続けて1年。
ここまで数字上では3年が経過しています。
のんびりなどしていられません。
でも何となくズルズルそうなってしまっている夫婦は
実際のところは結構な数でいらっしゃるのです。
初婚年齢が高くなると、夫ばかりでなく妻が
妊娠、出産を躊躇することにもなりかねません。
結婚を約束する相手と出会ったとき、
子供を持つことに対してどう思うのか
すぐにでも望むべきではないか等、
真剣に話し合う必要が
これからますます増えてくるのではないかと思います。
30代後半から40代でめでたく結婚されたその後、
子供を真剣に望むのならば、
どういうことをしていけば良いのか。
それについては、
また別の項で。
(Y)