みなさんこんにちは!Jです。
すっかり寒くなりましたね。一雨ごとに秋が深まっているのを実感しています。
湿度が下がっているので、喉を痛めないように気をつけてくださいね。
さて、今回は、シリーズでお送りしている「これをクリアしないと妊娠しない」の、4回目です。
妊娠するための条件11段階をもう一度おさらいしておきましょう。
1.卵胞が成熟する
2.排卵する
3.卵管の先端(卵管采 らんかんさい)が卵子をキャッチする
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
5.子宮内膜がふかふかな、着床しやすい状態になる
6.精子が膣内に射精される
7.頸管粘液が潤沢になっている隙間を伝って、精子が子宮内に侵入する
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
9.卵管の端で精子と卵子が出会い、受精する
10.分割を繰り返しながら卵管を下り、子宮にたどり着く
11.胚盤胞という状態まで育った”卵”が子宮内膜に着床する
今回は、このうちの
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
についてお話していきます。
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
卵巣で大きく育った卵胞(らんぽう)は、薄く伸びた膜を破って飛び出し、中の卵子は卵管采(らんかんさい)にキャッチされて、卵管へと旅を続けます。
一方、はじけた後の卵胞の膜はどうなっているかというと、しぼんでいきながら、黄体ホルモン(プロゲステロン)を出し続けています。なので、この状態の卵胞の膜を黄体と呼びます。
このホルモンが出続けていることで、子宮の内膜はふかふかに保たれ、受精卵が着床しやすい環境を作っているのです。
着床がないと、黄体はやがて白体(はくたい)となり、役目を終えて消えていきます。
黄体ホルモンが消えると、それを合図に生理が来て、内膜をはがし、子宮をきれいにして次回に備えるのです。
では、これがうまくいかないケースとはどんな状態でしょうか?
広く「黄体機能不全」と呼ばれている状態です。
つまり「着床をサポートできるほど黄体ホルモンが出てない」ということです。
排卵する前の卵胞の膜を拡大してみると、外側が莢膜細胞(しょうまくさいぼう)、内側が顆粒膜細胞(かりゅうまくさいぼう)になっていて、その細胞たちがLHやFSHの指令によって、原料のコレステロールから主にエストロゲン(卵胞ホルモン)を作り出しています。
それによって卵胞は大きく育っていきます。
排卵した後の2つの膜は、黄体細胞に変化して、主に黄体ホルモンが作られます。
受精卵が着床すると、胎盤から黄体ホルモンが出始めますので、そこで白体化した黄体は役目をバトンタッチできるわけです。
ところが、この黄体ホルモンがあまり出ないと、着床して胎盤ができる前に役目を終えてしまって、子宮内の環境が着床に適さない状態になってしまいます。
たとえば、内膜がいまひとつ厚くならないとか、厚さはあってもふかふかにならないとか(つまり、血流の悪い内膜になる)いう状態です。
基礎体温を測っているかただと、高温期が何日続くかで黄体ホルモンがしっかり出ているかどうかを推測することができます。
以下の条件を満たしていないと、黄体ホルモン不足の可能性があります。
●高温期が14日間、少なくとも11日以上続く
●低温期との差が0.6度以上、少なくとも0.3度以上ある
●高温期の間、体温が0.3度以上低下することがない
●低温期と高温期の移行が1日、少なくとも3日以内にスムーズに進む
基礎体温の測り方など、体温についてのブログは、Yが担当していますので、そちらを参考にしてくださいね。
ところで、体外受精などのART(高度生殖医療)に進んでいるかたの場合、採卵(さいらん)周期には、必ずホルモン補充をします。
採卵周期に卵の移植をする場合は、採卵の日からホルモン剤を飲んだり、パッチを貼ったりするので「私はホルモンが足らないのかしら?」と不安になるかもしれません。
この場合は普通のことなので、心配はいりません。
なぜかというと、採卵は卵胞ごと卵を取り出してしまうので、卵の膜が卵巣に残らず、黄体が出ません。
そのために外から黄体ホルモンを補って、子宮内膜の環境を維持していくのです。
着床して、胎盤から黄体ホルモンが出るようになれば、ホルモン剤も必要なくなります。
安心してくださいね。
話を簡単にするために、黄体ホルモンと卵胞ホルモンが100%切り替わるような書き方をしましたが、実際は2つのホルモンの配合は、常に「脳」と「卵巣」の間で連絡を取り合いながら調節されています。
女性のカラダは、なんと難しいことを毎回やっているのでしょう!
女性のカラダに敬意を表しつつ、今日はここまで。