こんにちは。Yです。
ここまで体の中に熱を作る「産熱機能」について述べてきました。
タイトルの一つの「低体温」について書きたい所ですが、
今回はその前に、
この低体温を説明する上では欠かせない、
人間の「体温調節機能」と「高体温」と「発熱」
について先に触れておきましょう。
恒温動物である私たち人間は、
どんなに寒い環境であっても、
前回までに触れてきた「産熱機能」をフル稼働して
体温をある一定に保とうとしています。
高くなりすぎた体温を下げる為の仕組み、
これを「放熱機能」と呼びますが、
この放熱の仕組みを使って、体から余分な熱を放出することで
体温の上がり過ぎを自ら防いでいます。
「産熱」と「放熱」。
この2つの機能の平衡が体内で保たれる事で、体温もある一定に保たれ、
人は快適に生活する事ができます。
この中枢は脳の視床下部にあり、
「温熱中枢」と「寒冷中枢」の2つの体温調節中枢が作用しています。
人は自分自身が知らないまま、この“ある一定の温度として保つ基準値”を
体内に設定しているわけです。
これを体温の「セットポイント」と呼んでいます。
放熱機能が不十分な子どもやお年寄りでは、
真夏の暑さが熱として体内に溜まり、
昨今の夏によく耳にした、いわゆる熱中症に罹ってしまうわけです。
また、風邪等の細菌感染やインフルエンザやマラリアなどのウイルス感染により
高熱を発生させますが、
これはある一定の通常の体温基準値「セットポイント」が
細菌・ウイルス等の発熱物質で異常を来してしまい、
高い位置にずれて、その体温を産熱機能が高温で維持してしまおうとする状況です。
いわゆるこれが「発熱」です。
「高体温」を示すこれらの状況は、度が過ぎれば、
人を死に至らしめます。
体表温より高い直腸内の体温が、43℃を超えたとき、
体内のタンパク質は変成し始め、
組織が破壊され生命活動が維持できなくなります。
破壊される前に、体内に溜まった熱や発熱の原因が取り除くことができれば、
異常に働いている「産熱機能」が元の正常な状態に戻り、
「放熱機能」が高まり、発汗などが進むことで、体温が正常へ戻っていくのです。
その反対が「低体温」ですが、
これも度が過ぎれば死に至ります。
いわゆる凍死ですね。
低体温には、死に至る「低体温症」と、
正常体温のセットポイントが他の人よりも低い「低体温」との
2つの意味があることになりますが、
次回、セットポイントが低くなった人の「低体温」について
述べて行こうと思います。
なかなか本題に進めないですみません。。。。