基礎体温と低体温⑵

基礎体温だけじゃない!体熱が作られる仕組み 女性にとって体温が上がるには
「黄体ホルモン」の分泌増加が必要と以前書きました。
しかし人間にとっては、男女を問わず、
体の熱を作るためにもっと様々な要因が関わっています。
人が体熱を生産する(“産熱”といいます)には
1)ホルモンの作用
2)栄養素の摂取による作用
3)筋肉の動きや内蔵の代謝による作用
4)交感神経の活性化による作用
が関わってきます。
これから、まず今回は 
「ホルモンの作用」と「栄養摂取による作用」 について簡単に説明して行きます。

ホルモンの作用として 特に甲状腺の「サイロキシン」というホルモンと
副腎髄質の「カテコールアミン」というホルモンが
体温を上げる作用に大きくかかわってきます。
甲状腺ホルモンは代謝を促進してくれるので、
長期間にわたって熱を作ることが出来ます。
副腎髄質ホルモンは
ブドウ糖を分解して血糖を上げたり、
末しょう神経の働き全体を活性化させるので、
血圧を上げ、心拍が上がり、熱の産生を促してくれます。
(ちなみに、副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)には
 アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンという3つの成分が含まれています。
名前はよく目にすると思いますが、
個別の作用については難しくなるのでやめておきます。)
食事を摂るだけでも熱が発生します 食物の摂取で熱が作られることは
「特異動的作用(SDA:Specific Dymanic Action)」と呼ばれていますが、
最近では「食事誘導性熱代謝(DIT: Diet-induced Thermogenesis)」と
呼び方が変わってきました。
食事をすると、食物の消化をするために、内臓が活発に活動するようになります。
その活性化した内臓が消費するエネルギーが、いわゆる「食事誘導性熱代謝」です。
食事をしているときに汗が出ることがあるのは、このDITによるものです
1日に消費するエネルギーの割合は、基礎代謝が7割、生活活動代謝が2割、食事誘導性熱産生は1割と言われています。
3大栄養素〔タンパク質、糖質、脂質〕のなかでも
特に熱の発生率が高いのがタンパク質
100kcalのタンパク質で30kcalもの熱を作ってしまいます
比べて糖質は約6kcal、
脂質は約4kcalだから、
その差は歴然
こまめに熱を作るためには、質の良いタンパク質(魚、肉、豆類)を
摂ることはとても重要です。
また、
糖質は「ビタミンB1」を一緒に摂ると、
糖質の分解代謝を効率よく高めて、体脂肪として蓄積する前に熱に変えてくれます。
ビタミンB1は 豚肉、うなぎ、緑黄色野菜、酵母(イースト菌や塩麹、みそ)、
     
        胚芽(玄米や発芽米、ふすま)、にんにく、落花生、キノコ類 等に含まれます。
脂質の代謝促進には 「ビタミンB2」がサポートしてくれます。
ビタミンB2は、脂質だけでなく、たんぱく質や糖質など全ての代謝関わる成分で、
子供や胎児の成長の促進には欠かせない成分でもあります。
また、粘膜や皮膚の組織を正常に保つ役割もあるので、腸内における栄養の吸収力も支えています。
 ビタミンB2は 牛、豚、鶏のレバー、たまご、海苔、どじょう、アーモンド、チーズ、納豆類 等に含まれます。
ビタミンB群を摂取することで、代謝が高まり、体温が高まり、肥満の予防になるということです
ほかにも
「ビタミンE」は血行を促進して、血塊の生成を予防したり、血塊を溶かしてくれたり、
抗酸化作用を高めて血管を強くし、全身の血液循環を高めてくれます。
「鉄分」は、赤血球つまりヘモグロビンをつくる大事な要素で、
ヘモグロビンは O2(酸素)を運ぶという大切な役割を担っていますので、
ヘモグロビンが増えれば、酸素運搬量が増え、結果的に血行量が増加します。
「ビタミンC」はその鉄分の吸収を高めてくれるし、
抗酸化作用を高めて、細胞を強くし、血管壁を強く弾力あるものにしてくれますので、
血行循環をより良いものにしてくれます。
だから、ビタミン、ミネラルも熱の産生に欠かせない大事な栄養素。
三大栄養素とビタミン・ミネラルとの絶妙な組み合わせで
効率よく代謝も血流も体温も高められます。
当たり前のことですが、
偏りの無い食事が体を温めてくれるんですね。
日ごろの食生活はどうですか?
食の好き嫌いが強いなぁとか、インスタント食品やコンビニ弁当ばかりだなぁ
とか、食欲が湧かないから食べる事がめんどうくさーい、というような方は
ぜひ「ご自分の体を形作ってくれるものたちの存在」によーく目を向けてみてください。
食事の仕方で体温がグッと上がり、安定した体調が得られるここと思いますよ
他の産熱機能については
また次回にしましょう。

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