シリーズ化して考える「体温」
まず1回目はおもに基礎体温の話をします。
意外と知らない「基礎体温」
いきなりですが、
女性のみなさん。
ご自分の「基礎体温」は
月経前半の低温期、後半の高温期の月経周期ごとに
だいたい何℃くらいかをご存知ですか?
また低温期と高温期、
2つの体温相の間はどれくらいの体温差があるかを把握していますか?
日々の女性患者さんとの臨床の中で、
「測ったことが無い」とか
「しばらくは測っていたけど、最近は面倒ですっかり・・・」
という患者さんが結構いらっしゃいます。
妊娠、出産をしたいという女性のみならず、
パートナー探しや結婚もまだまだこれから、
という女性たちであっても、
客観的に観察して、理解しておいてほしい事。
それは
数値化できる「体温」
つまり「基礎体温」です。
ここでは
人の体温が上がる生理的な仕組みと、
その体温は各個人によってかなり異なっている
という事について触れていきます。
基礎体温の基本のキホン
女性の基礎体温は1回の月経周期の中で
〈卵胞期の低温期〉〈黄体期の高温期〉
の2つのフェーズを持っています。
お互いの間には、およそ0.3-0.5℃の体温差があり、
通常は、黄体期である高温期が
大体10日から14日くらい続くようになっています。
高温の維持には「黄体ホルモン」が安定的に分泌され続けていることが不可欠。
それがさらに継続するということは
排卵された卵(卵胞)が受精をし、子宮内に到達し、
子宮内膜が受精卵を包容し育てるために、
体温の高温を維持する黄体ホルモンが出続けている状態。
つまり「受精卵の着床」シンプルに言えば「妊娠」が予想されます。
(ここでは医学上、まだ妊娠は成立とは判断しません。
妊娠の成立には、着床した胚が胎芽(たいが)になり、心臓の拍動を開始するまで
さらにおよそ4週間強の期間を要します。)
着床を伴わない場合、
排卵後、黄体期間の約14日間分泌された後、減少し、
それに伴って体温も下がって行きます。
黄体ホルモンによって充実していた子宮の内膜層も
ホルモンの減少により子宮内で支えきれなくなり、
崩落を起こし、同時に出血します。
これが簡単に言えばこれが月経出血です。
そしてふたたび低温期に戻り、
つぎの排卵期、つまり高温期に備えるというサイクルになるわけです。
基礎体温と低体温の問題
さて、みなさんの低温期はだいたい何℃くらいですか?
ここは実に個人差のある所で、
35℃台の人もいれば、36.4℃くらいの人もいたりします。
高温期も同じ。
36.4℃くらいの人もいれば、37.4℃という人だっています。
つまり、おなじ36.4℃で
ある人にとっては低温、また別の人にとっては高温
ということもあるわけです。
なんだか不思議な話ですねー。
同じ体温が低温にも高温にもなる…釈然としないのは私だけでしょうか?
低体温の問題は
じつは子どもの間でも広がっているのですが、
低体温の問題と体温を作る仕組みについては
また改めて取り上げます。
測定機器メーカー オムロンでは
【オムロンヘルスケア 女性のカラダの基礎知識】
というサイトがあります。
http://www.healthcare.omron.co.jp/woman/qa/10.html
参考にしてみてください。