みなさんこんにちは!Jです。
新年2週目からのブログスタートですが、あらためましてあけましておめでとうございます。
しかし寒い年末年始でしたね。
早く暖かくなってほしいです。
さて、今回は、シリーズでお送りしている「これをクリアしないと妊娠しない」の、9回目です。
妊娠するための条件11段階をもう一度おさらいしておきましょう。
1.卵胞が成熟する
2.排卵する
3.卵管の先端(卵管采 らんかんさい)が卵子をキャッチする
4.排卵したあとの卵胞の膜から黄体ホルモンが出る
5.子宮内膜がふかふかな、着床しやすい状態になる
6.精子が膣内に射精される
7.頸管粘液が潤沢になっている隙間を伝って、精子が子宮内に侵入する
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
9.卵管の端で精子と卵子が出会い、受精する
10.分割を繰り返しながら卵管を下り、子宮にたどり着く
11.胚盤胞という状態まで育った”卵”が子宮内膜に着床する
今回は、このうちの
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
についてお話していきます。
8.子宮から卵管へと精子が進んでいく
前回は、精子が子宮までたどり着けない例をお話しましたが、今回はその先の精子のゆくえのお話です。
子宮頸管の難関を突破できた精子が、子宮を越え、卵管へとさかのぼって行きます。
それができないのはどういう場合でしょうか?
一番多いのは、卵管閉塞(らんかんへいそく)です。
卵管は、子宮から卵巣のそばまで続く管で、左右に1本ずつ、合計2本あります。
卵管の長さは約10センチ、一番細いところでは内径が1ミリしかないので、簡単に詰まってしまいます。
詰まっている状態を閉塞と呼びます。
卵管をさかのぼろうとする精子達も、そこから進めないわけですから、精子と卵子は出会うことができず、受精することができません。
閉塞の原因で多いのは、クラミジアや淋菌の感染、子宮内膜症などの炎症です。腹部の手術によって癒着を起こすこともあり、それが卵管閉塞の原因になっている場合もあります。
子宮筋腫があったり、子宮内膜症があるかたは、ドクターがエコーで子宮や卵巣の状態をチェックするときに「癒着しているかもしれないね」と言われたことがあるかもしれません。
癒着というのは、卵管が他の臓器や腹膜などとくっついている状態です。こうなると、卵管がスムーズに動いて卵子を迎えにいくことができません。癒着と閉塞は厳密にいうと違いますが、卵子を子宮まで運べないという点では同じです。
卵管閉塞や癒着がないかどうかは、『子宮卵管造影(しきゅうらんかんぞうえい)』という検査をしてみないと分かりません。
基礎体温がきれいな二相になっていても、排卵チェッカーがくっきり陽性に出たとしても、卵管が詰まっていないという証拠にはなりません。
卵がちゃんと出来て、排卵していたとしても、その卵子が精子と出会えているか、子宮までたどり着けているかは、子宮卵管造影をしてみないと分からないのです。
子宮卵管造影はx線を使った検査で、月経直後に行ないます。
レントゲンを使うので、不妊治療のクリニックではなく、紹介状を持って他の病院で検査することもあります。
検査のために造影剤を入れるのですが、卵管が詰まり気味だったり、詰まっている場合には痛みが出ることもあります。
レントゲン撮影は、当日に2枚、翌日に1枚撮るのが一般的です。
子宮卵管造影をすると、子宮の形に異常がないか、卵管の閉塞や変形はないか、腹腔に癒着はないかが分かります。
つまり、この検査をクリアすれば、自然妊娠が可能かどうかが分かるのです。
また、少しだけ詰まっている場合は、この検査によって詰まりが解消して妊娠しやすくなることもあります。
造影剤が油性なので、それが卵管の中に生えている線毛(せんもう)の動きを刺激するのではないかとか、造影剤に含まれているヨードの殺菌作用が妊娠を促すのではないかとも言われています。
被爆を気にするかたもおられるのですが、上記のようなプラスの効果があることも事実です。
妊娠を願ってから1年以上経っても妊娠しないというかたは、一度この検査を受けることをおすすめします。