みなさんこんにちは! ようやく春らしくなったと思えば、夏日になったり・・・
穏やかな気候にほど遠いですので、ご体調には気を付けてくださいね。
さて、先日、コメディカルの方たちと情報交換会をやりました。
コメディカルとは、医師を支える医療関係者という意味ですが、私達鍼灸師も不妊カウンセラーのよしみでそこに入れていただいたわけです。
集まった方たちは、主にエンブリオロジスト(胚培養士)さんと、不妊専門クリニックの看護師さんなどでした。
不妊治療を長くやっている患者さんでも、培養士さんの役割をあまり強く認識していないかたもおられるかもしれません。
逆に、培養士さんが患者さんと積極的にコミュニケーションをとるシステムができている病院もあります。
どんな病院のシステムであっても、彼らの力なしには高度生殖医療(ART)は成立しないのです。
培養士さんたちはいろいろな苦労をしながら、何とか1つでも多くの卵を、少しでもグレードの良い状態で受精・培養させようと頑張っています。
別のクリニックではどんなやり方をしているのかなど、お互いに情報を交換している様子を見ていて、本当に頭が下がりました。
少しでもスキルアップしていこうという熱意が素晴らしい。
全員かどうかはわかりませんが、少なくとも私が存じ上げている培養士さん達は、総じて勉強家です。
これだけ多くのカップルがARTに頼る日本ですから、当然、培養士さんたちは毎日多くの卵と格闘していることでしょう。
その培養士さんたちが異口同音におっしゃるのが「もう少し早く不妊治療を初めてくだされば、もう少しグレードの良い卵が取れただろうに」ということ。
どんなに培養技術が進んでも、卵の年齢を下げることはできない。
やっと採卵できた卵を、何とか受精させて培養できた、移植まで辿り着けた・・・でも、この卵だと妊娠する確率は低いだろうなあ、と思うこともあるのだそうです。
もちろん「え?あの卵で妊娠反応が出たの?!」ということも案外あるらしくて、「こればかりは移植してみないと分からない」というのが正直なところだともおっしゃっていました。
こういうたゆまぬ努力のおかげで、ARTで赤ちゃんを授かるカップルも増えているのですね。
私は、どなたでもARTをおすすめしているわけではありません。できれば自然妊娠が良いに決まっています。
ただ、自然妊娠を待っているにはタイムリミットが迫っているかたには、やはり何らかの助けがあったほうが良い場合もあるのです。
ARTで命を授かる赤ちゃんたちは、培養士さん、看護婦さん、ドクターなど、たくさんのかたの「元気に育っておくれ!」という願いを受けながら生まれてくるわけです。
生まれながらに多くの愛を一身に受けるというのは、なかなか悪くないと思うのです。
私達鍼灸師も、微力ながら、その一翼を担っていきたいと思っています。